微量栄養素
微量栄養素は必須である一方、量が多過ぎると毒になります。主に、主要栄養素が植物によって活用されるための触媒的な役割を担っています。必要となる微量栄養素を全て供給するためのにも、水耕栽培専用の高品質な肥料を選ぶ必要があります。
亜鉛(Zn)・鉄(Fe)・マンガン(Mn)は、最も欠乏しやすい微量栄養素です。水耕栽培ではいずれか一つでも欠乏したら、大きな問題になってしまいます。多くの場合、これらの成分は同時に欠乏する傾向があり、特に水のpHが6.5を超えている時は顕著です。それぞれの欠乏初期症状は同じで、若い葉がしおれます。亜鉛・鉄・マンガンのどれが欠乏しているかを見極めるのは非常に難しく、全てが欠乏している可能性もあります。改善するためには、3種類すべて投与するのが賢明でしょう。
二次栄養素
植物は二次的な栄養素も大量に消費します。生長の早い植物の場合、普通の肥料では追い付けないぐらい消費することもあります。高品質な水耕栽培用肥料であれば十分に供給できます。
マグネシウム (Mg)
植物は非常に多くのマグネシウムを摂取するため、欠乏することは珍しくありません。マグネシウムが欠乏すると、低い位置の葉の葉脈間が黄色く変色します。次第に外周・先端・葉脈間が錆びのような茶色になります。
カルシウム (Ca)
ほとんどの植物は、主要栄養素と同じぐらいの量のカルシウムを必要とします。欠乏状態を回避するためには、十分な水溶性カルシウムを含んだ肥料を使うことが重要です。水耕栽培の場合、カルシウムが欠乏することは滅多にありませんが、欠乏すると葉は非常に濃い緑色になり、生長が非常にゆっくりになります。極端な欠乏に陥ると、新しく生えた枝は黄色から紫色がかった色になり、変形しながらしおれて枯れてしまいます。
硫黄 (S)
多くの肥料は何かしらの形で硫黄を含んでいるので、硫黄の欠乏は滅多にありません。純粋な硫黄はなるべく避けて、硫酸マグネシウムのような硫黄化合物を含む肥料を選びましょう。硫黄は水に溶けやすい性質を持ちます。地下水・河水・湖水はほぼ確実に硫黄を含んでいます。硫黄が欠乏すると、若葉はライムのような黄緑色や黄色に変色します。葉脈間が黄色くなり、みずみずしさが失われます。窒素の欠乏状態とよく似ています。
主要栄養素
植物が最も多く必要とするのが主要栄養素です。肥料のラベルをみると、この主要栄養素である窒素(N) 、リン(P)、 カリウム(K) の【N-P-K】割合がパーセンテージで大きく表記されています。必ずN-P-K(窒素・リン・カリウム)の順番です。植物の生長には、常に植物がこれらの養分を利用できる形状で存在していることが必要です。
窒素 (N)
生長期の植物は、とにかく大量の窒素を消費し、生長が終わりに近づくにつれ、消費量を減らしていきます。窒素はすぐに消費されるため、高い頻度で補充する必要があります。水耕栽培用の肥料では、アンモニア(NH4+)や硝酸(HNO3) を配合します。植物はアンモニアを容易に吸収できる反面、高い濃度では植物にダメージを与えます。その点、硝酸は高い濃度でもアンモニアほど植物にダメージを与えません。しかし、植物は硝酸を容易に吸収しない難点があります。窒素が欠乏し始めると、低い位置にある葉の葉脈間が黄色くなり、最悪葉が枯れ落ちてしまいます。
リン (P)
リンが最も多く消費されるのは、発芽から苗の間・挿し木の時・開花期です。「開花促進」を謳った肥料は、開花期を狙ったもので、多くのリンを含んでいます。リンが不足すると、植物は発育不全を起こします。葉は小さく、青緑色になり、斑点が現れることもあります。古い葉の先端は色が濃くなり、次第に拡がっていきます。最悪黒紫色に枯れた斑点が現れ、茶褐色へと変色し、しおれ、最後には枯れ落ちてしまいます。
カリウム (K)
カリウムは、糖分や炭水化物の合成と移動、細胞分裂に必要不可欠です。葉緑素を殖やし、気孔を制御し、病気から守り、強い根を作り、水の吸収を促進します。カリウムが欠乏すると、葉の先端や外周が濃い黄色に変色し、やがては全体に拡がり枯れてしまいます。茎がひ弱で、硬くなったりもします。
養分
養分とは植物が生きていく上で必要不可欠な成分です。水耕栽培において、炭素・水素・酸素などは空気や水から吸収され、それ以外の成分、すなわち養分は培養液から吸収されます。
培養液とは植物が必要とする養分を水に溶かしたものです。植物が元気に生長するために必要になるのは、少なくとも16種類の基本的な養分です。そしてこれらの養分は、根がスムーズに吸収できる好ましい配合で使用することが必要です。
養分は大きく分けて2つのカテゴリーから形成されています。①主要栄養素:植物が最も必要とする養分である窒素・リン・カリウム、そして二次的な養分であるカルシウム・マグネシウム・硫黄を指します。②微量栄養素:非常に少量ながらも必須な養分、ホウ素・塩素・コバルト・銅・鉄・マンガン・モリブデン・セレニウム・シリコン・亜鉛です。また上記の養分は、可動式栄養素と非可動式栄養素にも分類されます。
可動式栄養素は、植物の中を移動することができます。植物内でその養分を最も必要としている箇所に移動するため、欠乏すると古い葉から先に影響が見られます。窒素・リン・カリウム・マグネシウム・亜鉛が可動式栄養素です。
非可動式栄養素は、一度植物内に取り込まれると移動をしないため、欠乏すると新しく生えた葉から先に影響が見られます。カルシウム・ホウ素・塩素・コバルト・銅・鉄・マンガン・モリブデン・セレニウム・シリコン・硫黄が非可動式栄養素です。
植物の仕組み
植物の葉では光合成が行われます。光合成とは、光、CO2(二酸化炭素)、根から吸収された水(H2O)が反応して植物に必要な栄養(炭水化物)を作り出すことです。その際、副産物としてO2(酸素)が放出されます。植物は、葉の裏側にある気孔を開閉することで、CO2を取り込んだりO2を放出したりします。気孔が開いている時には水分が蒸発し、これを「蒸散」と呼びます。
根は植物体を地中でしっかり支えると同時に、水、養分、空気を吸収する役割があります。水耕栽培ではそれら(水・養分・空気)を吸収するスピードに拍車をかけます。根の先端より少し手前の部分に細かい毛が生えています。根毛です!根毛は根全体の表面積を大きくし吸収を高めます。この根毛は非常にデリケートであり、常に湿った状態であることが必要不可欠です。大きな根は茎に似た働きをし、吸収された水や養分を運搬する役割を担ってます。
茎は葉や花を支える部分で、内部に物質輸送を行う維管束を備えます。維管束とは根、茎、葉を貫いている束状の組織で、木部と師部からできています。木部には道管があって根から吸い上げた水や養分を各所へ運び、師部には師管があって葉で合成されたものを光合成できない部分へ運びます。
なぜ水耕栽培なのか?
水耕栽培は簡単に植物を育てる方法です。土に植えるのと違い、植物が必要とする養分を最大限に、且つ的確に与えることができます。養分を正確にコントロールすることによって、より早く、最大限の収穫が可能になります。




