培養液

栄養となる成分の過不足や有害物質の蓄積を避けるためにも、培養液は週に1回、少なくとも2週間に1回は入れ替えましょう。大きな植物の場合は、必ず週に1回は入れ替える必要があります。植物は色々な成分を違うペースで吸収するため、長く放置してしまうと不均衡が発生し、pH変動を引き起こします。そのため、予防的措置として最も効果があるのは、培養液の交換です。肥料をケチってしまうと、生育不全の原因になります。

培養液のメンテナンス

植物は非常に速いペースで培養液を摂取するため、培養液を定期的に補充する必要があります。そして植物は、養分よりも水の方を多く消費します。1~2週間程度であれば、貯水槽から減った量の水(pH調整済み)を足すだけでも大丈夫です。培養液の総入れ替えをせずに、何週間もほったらかしの状態を続けるのは避けてください。賢いガーデナーは、週に1回は必ず培養液を完全に入れ替えます。古い培養液を抜いた後に、薄めの培養液を1~2時間循環させてから、所定の分量の培養液で貯水槽を満たします。

真水を使うよりも、薄めた培養液(通常の4分の1以下)を使った方が、蓄積した余分な肥料や有害物質を効率的に洗い流す効果があります。

毎日決まった時間に貯水槽・培地・循環する培養液のEC測定を実施しましょう。培養液中の養分濃度を測定するには、ペンタイプのEC計が便利です。普段、水を足すだけだと、ECが下がって時々液肥を追加する必要が生じるでしょう。貯水槽は常に程よく満ちた状態をキープしましょう。小さな貯水槽ほど、毎日のチェックが必要になります。

培養液の作り方

まず貯水槽が清潔であることを確認しましょう。新しい培養液を作る際には、貯水槽内に蓄積した塩類が混ざらないように、ゴシゴシ擦って取り除きましょう。純水を使うと、後で培養液を測定する際に無駄な労力がかなり省けます。使用する水に300PPM以上の不純物がある場合は、必ず逆浸透膜浄水器にかけてください。

まず貯水槽に清潔な新しい水を必要量入れてください。続いて、肥料メーカーの使用量目安表の指示に従い、貯水槽に入れた水に対して必要となる養分の量を計算します。メーカーの指示に従うことで、その製品の特性を発揮することができます。疑問が生じた際は、水耕栽培専門店に相談に行きましょう!

液肥を使う場合は、直接貯水槽に投入しても構いません。粉末や細粒状の水耕栽培用肥料を使う場合は、ぬるま湯(32~38℃)で完全に溶かしてから貯水槽に投入します。この際、全ての固形物が溶けきっていることを確認してから貯水槽に投入すれば、確実に貯水槽内の水と混ざります。投入後すぐにかき混ぜましょう。

新たに作った培養液は、約1時間後にpHとECを測定します。必要に応じてpH UpやpH Downを投入して調整します。pHとECは毎日決まった時間に測定するようにしましょう。定期的な測定と調整は元気な植物を育てるコツです。


活力剤

Bio-AlgAMic.png活力剤とは、植物がより養分を吸収しやすくしたり、病害虫を予防したり、生長や開花を促進させたりするものです。活力剤配下のようなものを含有しています:天然植物ホルモン・フミン酸・フルボ酸・ビタミン・微生物・タンパク質・アミノ酸などです。効果は種類・配合・与える量によってまちまちで、根の強化・ストレスの減少・養分利用率の向上・クロロフィル生成の促進・発芽促進など様々です。

フミン酸やフルボ酸は、軟質炭やピート(泥炭)から作られます。いずれも、植物が腐って堆肥化したものです。フルボ酸は、植物そのものに働きかけるのに対して、フミン酸は培地と反応し、より栽培に適した状態を作り出します。

植物性ホルモンの多くは、海藻から抽出されます。冷水でエキスを抽出する方法がベストF-Micro New.jpgです。 

微生物を含有する活力剤は、微生物の成長サイクルを考慮し、こまめに投与すると良いでしょう。

プロテイン・アミノ酸・ビタミンも植物に有用です。ただし、これらはまだその具体的な効果やメカニズムが完全には解明されておらず、現在もなお研究が進められています。濃度や配合によっては、全く違う効果をもたらす場合があります。

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ハイドロ・オーガニック肥料

    BioGrow.pngハイドロ・オーガニック肥料とは、有機物を原料とした水溶性肥料です。有機物は微生物の働きによって分解され、無機物となり、植物に吸収されます。植物は基本的に無機物を吸収し栄養としています。

ハイドロ・オーガニック栽培とは、ハイドロボールやロックウールなどの培地で、オーガニック肥料を使って植物を栽培することです。多くのガーデナーは、手間暇かけてハイドロ・オーガニック栽培をする理由として、風味があり美味しい野菜や果物が育てられるからだとしています。その目的達成のためには、植物がすぐに吸収できる水溶性であることがベストです。BioBloom.png

どの肥料をどの程度、配合し与えるべきかを決めるには、細部にわたって注意を払いながら、繰り返し実験をする必要があります。配合済みのハイドロ・オーガニック肥料を使う場合であっても、どのタイミングで与えるか?試行錯誤は当たり前です。頑張ってください。

ハイドロ・オーガニック肥料は複雑な構成であるため、pHやECは変動しやすくなります。問 題回避のため、ハイドロ・オーガニック栽培においては3日に1回、新しい培養液に入れ替えましょう。必ず同じ店から購入し、その肥料について事前に把握しておくと良いでしょう。 

ハイドロ・オーガニック肥料を数種類混ぜて、自分にとってベストな配合を見つけるのも一つの手です。image_thumbnailer.jpg


水耕栽培用肥料

HydroGrowth1.jpg高品質な水耕栽培用肥料は水溶性で、必要な全ての養分がバランス良く配合されており、不純物を含みません。このような高品質肥料を製造するメーカーでは、フードグレードの養分を用い製造しています。今では、必要な養分がバランス良く配合された、素晴らしい水耕栽培用肥料が数多く製造されています。製品には1液式と2液式があり、全ての養分は吸収と*同化、そして生長に適した完全水溶性になっています。品質の悪い肥料は不純物が沈殿し、蓄積することがあるため、メンテナンスに更に手をかける必要が出てきます。高品質なものは、完全水溶性であるだけでなく、根がすぐに吸収できるようにも工夫されています。*同化:生物が栄養として外界から摂取した物質を、自体を構成する特定の成分に変える作用。

水耕栽培専門店では、生長状況に応じた、最も良い肥料やその配合方法をアドバイスしてくれます。情報収集に行きましょう!

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EC

培養液にどの程度電流が通るかを測定します。理論上、純水は電流を通しません。肥料を加えることによって電流が通るようになり、その量が増えるほど電流が通りやすくなります。電流の通しやすさを示すものを伝導率(EC)と言い、mS/cm(ミリジーメンスパーセンチメートル)、またはμS/cm(マイクロジーメンスパーセンチメートル)で示します。

ECを測定することで培養液中の養分濃度を知ることができます。しかし、どの養分がどの程度含まれているかまではわかりません。つまり、ECは培養液中の全ての養分の濃度です。どんな種類の養分でも、水に溶かせばECは上昇します。

mS/cmは水溶液中の養分濃度を測定する最も的確な測定単位のひとつですが、テクノロジーの進化の中で違う測定単位もいくつか出現しました。そのひとつPPM(100万分率)は、100万分のいくらかという割合を出す単位で、水溶液中に溶解するすべての物質の濃度を測るTDS(総溶解固形分)計では、このPPMで表示されます。多くのTDS計は、mS/cmをPPMに換算するものです。メーカーによって1mS/cmを500PPMに換算したり、620PPMに換算したり、多少の相違があります。

肥料を足すにつれて伝導率は比例して上昇します。培養液は通常0.75~3mS/cmの間になります。植物が最もよく生長するのは0.75~2mS/cmの間です。

EC計

EC測定値は、温度によっても変わります。高品質なEC計には、自動または手動の温度変化調整機能が備わっています。温度まで考慮しないと、正確な測定はできません。正確な測定をするために、これから投入する培養液と貯水槽に入っている培養液の温度が同じであることを確認しましょう。低価格のEC計の寿命はせいぜい1年程度でしょう。高額なものは数年の間は大丈夫でしょうが、定期的なメンテナンスを怠ると値段に関係なく寿命が短くなってしまいます。電極は常に清潔な状態を保つようにし、電極が腐食していないことを確認しましょう。腐食した電極では正確な測定はできません。

ECを測定するには、まず貯水槽からサンプルを取り出します。培地(ロックウール・ココヤシファイバー・ピートなど)にスポイトを少なくとも5cm程の深さまで差し込み培養液を採取します。採取したサンプルは、それぞれ清潔な瓶に入れてからEC計を使って測定します。通常であれば、培地から採取したサンプルの方が貯水槽のサンプルより若干高いEC値になっているはずです。培地から採取したサンプルの方が目立って高い場合、培地内で養分(*栄養塩類)が過剰に蓄積されています。薄めた培養液で培地に過剰に蓄積されている養分を洗い流してから、正しい濃度の新しい培養液に入れ替えましょう*栄養塩類:生物が生活を営むのに必要な塩類。植物では窒素・リン・カリウム・硫黄・カルシウム・マグネシウムなど。

DiST5-4.jpg定期的に培養液のEC値もチェックしましょう!

 


pH

pH(ペーハー)とは、酸性度やアルカリ度を測る1~14までの単位です。pH1は最も酸性が強く、7は中性、14は強アルカリ性です。数値が1変化するごとに、酸性やアルカリ性の度合いが10倍強くなります。つまり、pH5の水は、pH6の水より10倍、pH7の水よりは100倍も酸性が強いのです。健全な植物の生育にはpHの測定とコントロールは欠かせません。

pHが低過ぎる場合、酸性塩が化学反応で養分と結合してしまい、根が十分に養分を吸収できなくなります。pHが高過ぎる場合も同様に、根は養分を十分に吸収することができません。塩類の増大は水の吸収までも阻害してしまいます。水耕栽培をする場合、培養液のpHは5.5~6.5の間が理想的です。培養液のpHは0.5ポイントほど変動しても大きな問題にはなりませんが、pH5.5~6.5より大きく逸脱すると養分吸収に影響が出ます。

根は様々な養分を違う速度で吸収します。このように一部の養分だけが先に吸収されると、培養液のpHが変動します。pHが5.5以下、6.5以上になると十分な速度で養分吸収ができなくなります。

pH計

最近では低価格で使い勝手の良いpH計が売られています。低価格のものでも、普段ちょっと使う分には何ら差支えありませんが、高価なものほど精密です。pH計には、酸化剤や還元剤の影響を受けることが少なく、いろいろな溶液について測ることのできるガラス電極法が最も多く用いられています。pH計は、何千回と繰り返し使うことができるため、リトマス試験紙などを使った方法よりもおススメです。pHep4-4.jpg

定期的に培養液のpHをチェックしましょう!


水と養分

水は究極の溶剤です。植物の生育に必要な養分を、根が吸収できる形にして運んでくれます。この働きを最大限に活かすためには、水の品質管理が重要になります。

植物は、空気や水から二酸化炭素・水素・酸素を吸収します。その他の養分は、培養液、つまり肥料を水に溶かしたものから吸収します。植物が効率良く吸収するための適切な培養液の配合が不可欠です。

一般的に水道水には、高い濃度のナトリウムやカルシウム、硫黄や塩素が含まれていることがあります。また、pHが高過ぎたり、低過ぎたりする可能性もあります。硫黄を含む水は臭いや味ですぐにわかります。また、海岸沿いの地域では、過剰なナトリウムが含まれていることもあります。年間降雨量が50cm未満の地域では、水に多くのアルカリ塩が含まれていることがあります。

健全な水耕栽培を実現するためには、品質の良い水が必要です。カルシウム・マグネシウム・ナトリウムといったミネラル分の含有量が140PPM以下の水道水や井戸水であれば、水耕栽培にそのまま使えます。500PPM以上になると、無数のトラブルの元となります。