その他の培地
陶器片
陶器片は、重いものの不活性で空気を良く含み排水性が高く、何より有り難いことは無償で入手できることです。培養液や空気は表面に蓄えられます。
軽石
軽石や溶岩は多孔質で、水に浮くこともあるほど軽いのが特徴です。無数に開いた穴に水や空気を含みます。しかし、角が鋭いため、動かすと根を傷つける可能性があります。
合成発泡材
合成発泡材も水耕栽培の培地に活用できます。培養液や空気を多く含ませることができ、メーカーはその再利用性の高さを宣伝しています。
ナッツ殻ピートモス
ピートモスをナッツの殻などと混ぜたものは、経済的です。ナッツの殻によって、培地の排水性を高めると同時に、空気を多く含ませることができます。
ピート&パーライト・ミックス
パーライトは、コイアやピートモスなどの排水性と通気性を高めるために混ぜられます。様々な割合で混ぜることで、それぞれの植物固有のニーズに対応できます。
土壌改良剤
真珠岩などの破砕片をポップコーンのように高温で膨張させた多孔質な細かい粒です。凸凹した表面にも多くの培養液や空気を含ませることができます。多目的パーライトは主に、細目・中目・粗目の3種類に分けられます。吸水性のある他の培地に対して、最大で3分の1まで混ぜることで、排水性と空気性の改善をします。
バーミキュライト
雲母を高温で膨張させたものです。ファイバーに多くの培養液や空気を含ませることができるため、排水性の高い培地に加えることで、保水性を高めます。吸水性・保水性に優れていることから、ウィック(底面吸水栽培)システムで多く使われます。挿し木に使う場合は細目を、他の培地に混ぜる場合は粗目を使いましょう。
ピートモス
広大な湿原で、コケ類が長年堆積し、半ば腐食したものを乾燥させ砕いたものです。ミズゴケピートやハイゴケピートは、単独で使うこともできます。乾燥したピートモスは、なかなか水を吸いません。良く揉みほぐし十分給水させてから使います。pHは3~5で、分解が進むにつれて低くなります。元(乾燥時)の重量の15~30倍の重量の水を保持できます。
ココヤシファイバー
ココヤシファイバーは、ココピート・パームピート・ココス・コイアとも呼ばれています。コイアはココヤシ皮のファイバーで、使う前に水に浸して樹脂などの残留物を洗い流す必要があります。自然分解性のあるコイアは、その構造を保っている間は、多くの水を蓄えることができます。
洗浄され、プレス加工された高品質なブロック状のものは、ほぼ不活性でナトリウム分をほとんど含みません。ブロック1つの重量は600グラムから1キロ程度で、pHは5.5~6.8です。
コイアは単独でも使用できますが、排水性と通気性を改善するために、パーライトかハイドロボールを半々に混ぜます。ロックウールの上にコイアを薄くかぶせ置くことで、過度の乾燥も防げます。
乾燥したブロックを手で粉々に砕いて使うこともできます。水を含むと元の大きさの約8倍に膨張します。最大限の恩恵を得るには、栽培場所の空気を良く循環させ、換気もきちんとしましょう。![]()
ハイドロボール
ハイドロボールは軽く、不活性、pHは中性で再利用が可能です。外部を硬いセラミックで覆われた丸い粒の内部は、多孔質のため培養液を見事に保持します。また、球形であるため、粒と粒との間にはたくさんの空間が存在し、これが養分の吸収をはかどらせます。言うまでもなく、排水性にも優れた一押しの品です。
ピートモスやコイアなどに混ぜて、その排水性を高めると同時に培養液を四方八方に分散してくれます。他の培地にかぶせ置いた場合は、過度の乾燥を防ぎ、藻類の生長も抑えます。
ハイドロボールを使った水耕栽培は、多くのオフィスビルやホテルをはじめとした公共施設でも利用されており、ポピュラーです。そして、バラのように高い排水性を必要とする植物の栽培には特に適しています。
HYDROTONなどのブランドの商品が発売されており、大きさはさまざまです。
ロックウール
ロックウールは不活性であり無菌、多孔質の分解しない培地で、根はしっかりと張ります。苗や挿し木用としてはもちろんのこと、大きく厚切りにしたものはテラスガーデンでの栽培にも利用できます。
メーカーによって厚板状(ロックウールマット)、キューブ状(ロックウールポット:10×10×10cm / ロックウールミニ:3.6×3.6×3.6cm)、大きな塊状からクズ状まで様々です。ロックウールは培養液と空気を多く保持できる優れものです。
ロックウールのpHは高いので、実際に使うときは数時間、場合によっては前の晩から低pHの溶液に浸す必要があります。
高品質なロックウールは軽く、ファイバーは規則性なく四方八方に流れています。このような不規則なファイバーの流れによって根は自由に広がることができます。ファイバーには吸水性のものと、そうでないものとがあります。
ロックウールのサイズが大きいほど多くの培養液を蓄えられます。完全に乾燥する一歩手前まで植物は特にストレスを受けません。
培地
土を全く使用しない水耕栽培では、ロックウール・ハイドロボールなどの培地が根を支えることになります。この培地が酸素(空気)、水、養分を蓄えます。培地のテクスチャー、pH、養分コンテンツの3つの要素が、その培地で植物が育つかどうかのカギとなります。
培地のテクスチャーは、その大きさと構造により決まります。培地として相応しいテクスチャーだと根がしっかり張られ、酸素が蓄えられ、養分が吸収され、余分な水が排水されていきます。大きさで言うと大きな粒子(目が粗い粒)の場合、粒と粒の間には空隙が生じ、排水性もバツグンです。しかし、その分、水を与える頻度を高くする必要があります。小さな粒子(目が細かい粒)の場合は、隙間なく密着するため排水はゆっくりになり、水を与える頻度は低くなります。保水力・保肥力・保酸素力そして根の張り具合は全て培地のテクスチャーによります。
バーミキュライト・ピートモス・ロックウール・コイアのようなファイバー素材は、細胞内に多くの水を含ませることができます。また、これらは培養液の成分を変質させません。エブ&フローのような毛管現象を利用したタイプの水耕栽培システムでは、非常に優れた培地となります。植物を除去した後の培地から、蓄積した塩類を洗い流したりする作業は、時間がかかり大変です。また、バーミキュライト・ピートモス・ロックウール・コイアは、一度収穫した後は空気を蓄える能力が落ちので再利用できません。
ハイドロボール・パーライト・軽石・砂利・砂・砕いた陶器といった鉱物系培地は不活性です。微生物や化学薬品触れても性質が変化しないため、培養液を変質させません。鉱物系の培地を再利用する際は、古い根を除去し、蓄積された塩類を洗い流します。稀に、ハイドロボールやパーライトはボロボロになってしまい、再利用が難しい場合もあります。




